「ChatGPTに指示しても、期待した回答が返ってこない」「もっと的確な回答を引き出すコツはないの?」——プロンプトの書き方には型(フレームワーク)があり、それを使うだけで出力品質が劇的に変わります。
日本では深津式プロンプトとシュンスケ式(ゴールシークプロンプト)が2大フレームワークとして広く知られています。海外ではChain of ThoughtやFew-shotなどの手法が主流です。
この記事では、主要なプロンプトフレームワークをビフォーアフターの具体例つきで解説し、場面ごとの使い分けを紹介します。
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プロンプトフレームワークとは
プロンプトフレームワークとは、AIから高品質な出力を得るためのプロンプトの書き方の型です。フレームワークを使わずに漠然と質問すると、AIも漠然と答えます。型に沿って書くことで、AIが「何を」「どのように」出力すべきかを正確に理解し、的確な回答を返します。
主要フレームワーク一覧と比較
| フレームワーク | 提唱者/発祥 | 核心 | 難易度 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| 深津式 | 深津貴之氏(note CXO) | 役割+制約条件+入力+出力 | ★☆☆ | 初心者・汎用的な質問 |
| シュンスケ式 | 林駿甫氏 | 変数+制約条件+段階的ゴール | ★★☆ | 複雑なタスク・長文生成 |
| ゴールシーク | 林駿甫氏 | ゴール提示→AIが最適プロンプトを逆算 | ★★☆ | プロンプト設計が苦手な人 |
| CRISPE | 海外コミュニティ | Capacity/Role/Insight/Statement/Personality/Experiment | ★★☆ | ビジネス文書・専門的な出力 |
| Chain of Thought | Google Research | 「段階的に考えて」と指示 | ★☆☆ | 論理的思考・数学・推論 |
| Few-shot | GPT論文 | 具体例を2-3つ示して出力パターンを指定 | ★☆☆ | フォーマット統一・分類タスク |
| PREP法 | ビジネスライティング | Point/Reason/Example/Point | ★☆☆ | 説得力のある文章生成 |
深津式プロンプト
note株式会社のCXO・深津貴之氏が提唱したフレームワークで、日本で最も広く使われています。シンプルで初心者にも取り組みやすいのが特徴です。
深津式の構造
#命令書
あなたは{役割}です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。
#制約条件
・{制約1}
・{制約2}
・{制約3}
#入力文
{ユーザーの具体的な入力}
#出力文
ビフォーアフター:深津式
❌ Before(素のプロンプト)
「マーケティングについて教えて」
→ 広範すぎて教科書的な一般論が返ってくる
✅ After(深津式適用)
#命令書
あなたはSNSマーケティングの専門家です。以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。
#制約条件
・Instagram運用に特化
・飲食店向けの施策
・予算月3万円以内
・具体的なアクション付き
#入力文
個人経営のカフェのフォロワーを3ヶ月で1,000人増やす方法
#出力文
→ 具体的で実行可能な施策が返ってくる
シュンスケ式プロンプト
林駿甫氏が考案したフレームワークで、変数を使って制約を段階的に設定し、中間ゴールを経て最終ゴールに近づけるのが特徴です。深津式より複雑なタスクに向いています。
シュンスケ式の構造
#前提条件
{タスクの背景情報}
#変数の定義
{変数1} = "{値1}"
{変数2} = "{値2}"
#制約条件
・{変数を使った制約1}
・{変数を使った制約2}
#ゴール(段階的)
Step1: {中間ゴール1}
Step2: {中間ゴール2}
Step3: {最終ゴール}
#出力形式
{指定のフォーマット}
ビフォーアフター:シュンスケ式
❌ Before
「ブログ記事を書いて」
→ テーマも構成も曖昧な記事が生成される
✅ After(シュンスケ式適用)
#前提条件
SEO対策ブログの記事執筆
#変数
ターゲット = “ChatGPT初心者の30代会社員”
キーワード = “ChatGPT 使い方”
文字数 = “3000文字”
トーン = “親しみやすく専門用語を避ける”
#制約条件
・{ターゲット}が読んで即実践できる内容
・{キーワード}をH2に2回以上含める
・{トーン}で統一
#ゴール
Step1: 構成案を作成
Step2: 構成案を元に本文を執筆
Step3: SEOチェックと最終調整
深津式 vs シュンスケ式
| 比較項目 | 深津式 | シュンスケ式 |
|---|---|---|
| 難易度 | 低い(初心者向き) | 中程度 |
| 構造 | 命令書+制約+入力+出力 | 変数+制約+段階的ゴール |
| 強み | シンプルで汎用的 | 複雑なタスクの精度が高い |
| 弱み | 複雑なタスクには力不足 | 準備に時間がかかる |
| 向いている用途 | 質問、短文生成、翻訳 | 長文執筆、分析、多段階タスク |
ゴールシークプロンプト
ゴールシークプロンプトは、最終的なゴール(欲しい出力)をAIに伝え、AIに最適なプロンプトを逆算させる手法です。「プロンプトの書き方がわからない」という人に最適です。
ゴールシークの使い方
私のゴールは「{最終的に欲しい出力}」です。
このゴールを達成するために、あなたに最適なプロンプトを作成してもらいたいです。
まず、ゴール達成に必要な情報を私に質問してください。
質問は一度に3つまでにしてください。
十分な情報が集まったら、最適なプロンプトを提案してください。
ポイント:AIが質問→ユーザーが回答→AIがプロンプトを改善、という対話を繰り返すことで、自分では思いつかないような精度の高いプロンプトが完成します。
ビフォーアフター:ゴールシーク
❌ Before
「営業メールを書いて」
→ 誰宛か、何の商品か、目的は何か不明で汎用的なメールが生成
✅ After(ゴールシーク適用)
ゴール:「既存顧客に新サービスを紹介し、30%の返信率を達成する営業メール」
→ AIが「業種は?」「サービスの特徴は?」「顧客との関係性は?」と質問
→ 回答を重ねるごとにプロンプトが精緻化
→ 最終的に高精度なメールテンプレートが完成
海外の主要フレームワーク
Chain of Thought(思考の連鎖)
Google Researchが提唱した手法で、「段階的に考えてください」と一言加えるだけで、AIの推論精度が大幅に向上します。特に数学、論理、複雑な分析に効果的です。
使い方:
以下の問題について、段階的に考えて(step by step)回答してください。
{問題文}
Few-shot(少数例示)
出力の具体例を2〜3つ示すことで、AIに出力パターンを学習させる手法です。フォーマットの統一や分類タスクに非常に効果的です。
使い方:
以下の例にならって、カスタマーレビューをポジティブ/ネガティブ/中立に分類してください。 例1: 「商品の質がとても良い」→ ポジティブ 例2: 「配送が遅すぎて困った」→ ネガティブ 例3: 「普通に使えます」→ 中立 分類してください: 「デザインは好きだけど価格が高い」→
CRISPE
6つの要素でプロンプトを構成するフレームワークです。
- Capacity(能力):AIの役割・専門性
- Role(役割):具体的な立場
- Insight(背景情報):タスクの文脈
- Statement(依頼内容):具体的な指示
- Personality(性格):出力のトーン
- Experiment(実験):複数案の生成指示
場面別フレームワーク選択ガイド
どのフレームワークを使えばよいか迷ったら、以下のフローで判断してください。
Q1. プロンプトを自分で書くのが苦手?
→ はい → ゴールシークプロンプト(AIに逆算してもらう)
Q2. タスクは単純?複雑?
→ 単純(質問、翻訳、要約) → 深津式
→ 複雑(長文、多段階、分析) → シュンスケ式
Q3. 論理的な推論が必要?
→ はい(数学、論理パズル、比較分析) → Chain of Thought
Q4. 出力フォーマットを統一したい?
→ はい → Few-shot(具体例を示す)
Q5. ビジネス文書で説得力が必要?
→ はい → CRISPE または PREP法
フレームワークの組み合わせテクニック
組み合わせ1:深津式 + Chain of Thought
深津式の制約条件に「段階的に考えて回答してください」を加えるだけ。シンプルさを保ちつつ推論精度を向上できます。
組み合わせ2:シュンスケ式 + Few-shot
シュンスケ式の段階的ゴールの中に、出力例(Few-shot)を含めることで、形式と内容の両方を制御できます。
組み合わせ3:ゴールシーク + 深津式
まずゴールシークでAIに最適なプロンプトを設計させ、その結果を深津式のフォーマットに整形して使う方法です。
プロンプトテンプレート
1. フレームワーク自動選択プロンプト
【プロンプト】
「以下のタスクに最適なプロンプトフレームワークを選び、そのフレームワークに沿ったプロンプトを作成してください。
【タスク】
(記入)
【出力形式】
・推奨フレームワーク名と選定理由
・フレームワークに沿った完成プロンプト
・プロンプトの使い方の説明
・期待される出力のイメージ」
2. 深津式テンプレート生成
【プロンプト】
「以下のタスクを深津式プロンプトのフォーマットに変換してください。
【やりたいこと】
(記入)
【出力形式】
・#命令書(役割の設定)
・#制約条件(5つ以上)
・#入力文(ユーザーが記入する部分を{変数}で表示)
・#出力文」
3. ゴールシークプロンプト
【プロンプト】
「私のゴールは「{最終的に欲しい出力を記入}」です。このゴールを達成するために最適なプロンプトを作成してください。まず、ゴール達成に必要な情報を私に質問してください。質問は一度に3つまでにしてください。十分な情報が集まったら、最適なプロンプトを提案し、そのプロンプトを実行してください。」
4. プロンプト改善プロンプト
【プロンプト】
「以下のプロンプトを改善してください。現在の問題点を指摘し、より高品質な出力が得られるプロンプトに書き直してください。
【現在のプロンプト】
(記入)
【現在の問題】
(出力が曖昧 / 長すぎる / 的外れ 等)
【出力形式】
・現在のプロンプトの問題点(3つ以上)
・改善後のプロンプト
・改善のポイント解説
・使用したフレームワーク名」
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フレームワーク活用のコツ
コツ1:まず深津式から始める
初心者は深津式だけで十分です。慣れてきたらシュンスケ式やゴールシークに挑戦しましょう。
コツ2:制約条件は5つ以上
制約条件が少ないと出力がブレます。文字数・トーン・対象読者・除外事項・出力形式の5つを最低限指定しましょう。
コツ3:出力例を示す(Few-shot)
「こういう感じで書いて」と具体例を1つ添えるだけで、出力の精度が劇的に向上します。
コツ4:一度で完璧を求めない
プロンプトは反復改善するものです。最初の出力を見て、制約条件を追加・修正する「プロンプトの壁打ち」を習慣にしましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. どのフレームワークが一番おすすめですか?
初心者には深津式、プロンプトを自分で考えるのが苦手な方にはゴールシークをおすすめします。万能なフレームワークはないので、タスクに応じて使い分けるのがベストです。
Q. 深津式とシュンスケ式はどう使い分ける?
単純な質問や短文生成は深津式、長文執筆や多段階の分析はシュンスケ式が向いています。
Q. Claude(Anthropic)やGemini(Google)でも使えますか?
はい、どのフレームワークもChatGPT・Claude・Geminiの全てで使えます。AIの基本的な仕組みは同じなので、フレームワークの効果はモデルを問わず発揮されます。
Q. 英語のフレームワークは日本語でも効果がありますか?
はい。Chain of ThoughtやFew-shotは日本語でも同等の効果があります。「段階的に考えてください」と日本語で指示するだけでOKです。
Q. フレームワークを使わなくてもいい場合は?
「東京タワーの高さは?」のような単純な事実質問にはフレームワークは不要です。創造的なタスクや複雑な指示のときにフレームワークの効果が発揮されます。
まとめ
この記事では、主要なプロンプトフレームワークを解説しました。ポイントを整理します。
- 日本の2大フレームワークは深津式(シンプル・初心者向け)とシュンスケ式(変数・段階的ゴール)
- ゴールシークはAIに最適なプロンプトを逆算させる手法
- 海外ではChain of Thought(推論強化)とFew-shot(例示)が主流
- タスクの複雑さに応じてフレームワークを使い分ける
- フレームワークの組み合わせでさらに精度向上
- まずは深津式から始めて段階的にスキルアップ
プロンプトは「型」を知るだけで劇的に変わります。今日からフレームワークを使いこなしましょう。
プロンプトの基本はプロンプトの書き方・コツ、実践テクニックはChatGPTの便利な使い方20選もあわせてご覧ください。その他のプロンプト活用法はAIプロンプト活用ブログでもご紹介しています。
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