「ExcelやWordの中でAIを使いたい」「ChatGPTに貼り直すのが面倒」——日々の資料作成では、この2つのもどかしさが積み重なります。
それを解消するのがMicrosoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)です。最大の特徴は、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsの中で直接動くこと。ファイルをコピーして別のサイトに貼る手間がなく、社内データを踏まえた回答を返します。
この記事では、無料版と有料版の違い、アプリごとの使いどころ、そのまま使えるプロンプト例までを初心者向けに解説します。ChatGPTとの使い分けも整理します。
✨ Officeで使えるプロンプトを自動生成
資料作成・集計・メール返信——目的を選ぶだけで、Copilotにそのまま貼れるプロンプトが完成します。
Microsoft Copilotとは?3つの顔がある
名前は同じでも中身が違う
Copilotは複数の製品の総称で、ここを混同すると「使えない」と感じます。大きく3つに分かれます。
- 無料のCopilot:WebサイトやWindowsから使えるチャット。ChatGPTに近い使い勝手
- Microsoft 365 Copilot:Word・Excel等の中で動く有料版。社内データを参照できる
- GitHub Copilot:開発者向けのコード補完。用途が別物
「Officeの中でAIを使いたい」なら、必要なのは2番目です。無料版では、アプリ内から文書やシートの中身を直接扱うことはできません。
最大の強みは「社内データを踏まえる」こと
有料版は、権限のある範囲でメール・予定表・社内ファイル・Teamsの会話を参照します。「先月の田中さんとのやり取りを踏まえて返信案を」といった依頼が通るのは、この仕組みがあるためです。
ChatGPTとの使い分け
どちらが優れているかではなく、置き場所が違います。
| 項目 | Microsoft 365 Copilot | ChatGPT |
|---|---|---|
| 使う場所 | Office各アプリの中 | ブラウザ・アプリ |
| 参照できる情報 | 権限内の社内データ | 学習知識とWeb |
| 得意なこと | 既存ファイルの加工・要約 | ゼロからの発想・文章作成 |
| 導入 | 会社契約が前提になりやすい | 個人でも始めやすい |
手元のファイルを動かすならCopilot、ゼロから考えるならChatGPTです。ChatGPTの基本はChatGPT初心者の使い方完全ガイド、他ツールとの比較は無料で使えるAIツールおすすめ5選をどうぞ。
アプリ別|Copilotの使いどころ
Word:長文の下書きと要約
白紙から文書を起こしたり、既存文書を指定の長さに縮めたりできます。文書内の見出し構成を保ったまま書き換えられるのが強みです。
Excel:関数を書かずに集計する
表を選んで「地域別の売上推移をグラフで」と頼めば、数式とグラフを提案します。関数の書き方そのものを学びたい場合はChatGPTでExcel関数・マクロを作成が参考になります。
PowerPoint:Word文書からスライドを起こす
既存の企画書を読み込ませ、スライド構成に変換できます。デザインの整形まで一気に進むため、たたき台づくりが速くなります。構成の練り方はChatGPTでプレゼン資料の構成を作るで解説しています。
Outlook:長いスレッドの要約と返信案
20往復のメールを3行に要約し、返信の下書きまで作ります。文面の調整はChatGPTでビジネスメールを作成する方法のテンプレートと相性がよい部分です。
Teams:会議の要点と決定事項の抽出
会議中の発言から、決定事項・宿題・担当者を抜き出します。録画や文字起こしからの議事録づくりはAIで議事録を自動作成する方法もあわせてどうぞ。
Copilotで使えるプロンプト例4選
会議メールを要約して返信案を作る
【プロンプト】
「このメールスレッドを整理してください。
【出力】
・議論の経緯を3行で
・決まったことと、決まっていないこと
・こちらが返答すべき論点
・上記を踏まえた返信案を、丁寧語で200字程度」
Excelの表から示唆を出す
【プロンプト】
「選択した売上データを分析してください。
【条件】
・前年同期比で伸びた項目と落ちた項目を上位3件ずつ
・数値の変化が大きい箇所を指摘し、考えられる要因を挙げる
・推測の部分は「推測」と明記する
・最後に、追加で確認すべきデータを3つ提案する」
企画書からスライド構成を起こす
【プロンプト】
「この文書をもとにプレゼン資料の構成を作成してください。
【条件】
・想定聴衆:役員
・持ち時間:10分(スライド10枚以内)
・1枚につき伝えることは1つに絞る
・数値を示すスライドには、元文書のどの記述を使うか対応づける」
社内文書を新人向けに書き直す
【プロンプト】
「この手順書を、入社1年目でも理解できる文章に書き直してください。
【条件】
・専門用語には初出時に短い説明を添える
・手順は番号つきの箇条書きにする
・つまずきやすい箇所に注意書きを入れる
・元の文書にない手順を勝手に足さないこと」
手順書づくり全般はAIでマニュアル・業務手順書を作成する方法が詳しいです。
使いこなすための4つのコツ
1. ファイルを開いてから頼む
Copilotの価値は、開いているファイルを踏まえて動く点にあります。何も開かずにチャットとして使うと、無料版と変わらない一般論しか返りません。「何に対しての作業か」を先に開いておくのが大前提です。
2. 参照先を名指しする
「先週の資料を踏まえて」ではなく、ファイル名や相手の名前を具体的に挙げます。社内には似た名前のファイルが大量にあるため、名指ししないと別の資料を拾います。
3. 出力形式を指定する
「まとめて」だけでは分量も形式も安定しません。行数・表・箇条書きなどを指定すると、そのまま資料に貼れる形で返ってきます。この考え方はChatGPTに上手に指示を出す方法で解説している3要素と同じです。
4. 一度で完成させようとしない
最初の出力を土台にして、「3枚目をもっと具体的に」「この段落を半分に」と対話で詰めていきます。たたき台を作らせて人が仕上げるのが最も速い使い方です。
導入がうまくいかない会社の共通点
契約したのに使われない、という相談は少なくありません。原因はたいてい次の3つです。
- 使い道を各自に丸投げしている:業務ごとの具体例を示さないと、現場は最初の一歩を踏み出せない
- ファイルが整理されていない:命名も保存場所もばらばらだと、参照精度が上がらない
- 効果を測っていない:削減できた時間を可視化しないと、更新時に継続の判断ができない
社内展開の型はAIで社内研修・教育資料を作成する方法、定着の進め方はAI導入の費用対効果を試算する方法が参考になります。
導入前に知っておきたい注意点
- 費用は1人あたりの月額:全社導入すると相応の金額になる。効果の見積もりはAI導入の費用対効果を参考に
- データの整理が前提:社内ファイルが散らかっていると、参照精度が落ちる
- 権限設定の見直しが必要:本来見えないはずのファイルが参照されないよう、事前に権限を点検する
- 出力は必ず確認する:社内データを踏まえていても、誤りは起きる
利用ルールの整備は生成AIの情報漏洩リスクと社内利用ルールの作り方と合わせて進めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料版でもWordやExcelの中で使えますか?
無料のCopilotはチャットが中心で、Office各アプリの中で文書やシートを直接編集する機能は有料版が前提です。まず無料版で回答の質を試し、必要なら有料版を検討する流れが現実的です。
Q. 個人でも契約できますか?
個人向けのプランも提供されていますが、社内データを参照する機能は法人契約が前提になります。プランと提供条件は変更されることがあるため、最新情報は公式サイトで確認してください。
Q. 入力した内容は学習に使われますか?
法人向けプランでは、テナント内のデータが社外のモデル学習に使われない設計が基本です。ただし契約形態で条件が異なるため、導入前に確認してください。
Q. ChatGPTと両方契約する必要がありますか?
用途が重なる部分はあります。既存ファイルの加工が多いならCopilot、企画や文章の生成が多いならChatGPTを優先し、業務量の多いほうから始めるのがおすすめです。
Q. 日本語の精度は十分ですか?
日本語の文書作成や要約は実用水準です。ただし敬語の細かなニュアンスや業界特有の言い回しは、人が最後に整える前提で使ってください。
まとめ
この記事では、Microsoft Copilotの使い方を解説しました。ポイントを整理します。
- Copilotは無料版・Microsoft 365版・GitHub版で中身が違う
- Officeの中で使いたいなら、必要なのはMicrosoft 365 Copilot
- 強みは権限内の社内データを踏まえること
- 既存ファイルの加工はCopilot、ゼロからの生成はChatGPT
- 導入前に費用・データ整理・権限設定を点検する
まずは一番長いメールスレッドを開き、「経緯を3行で」と頼んでみてください。効果が一番わかりやすい使い方です。
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