「デザインは外注、社内では誰も作れない」「素材を探すだけで1時間が消える」——資料もバナーもSNS画像も必要なのに、作る手段がない職場は多いはずです。
デザインAIツールは、この状況を変えます。デザインの知識がなくても、指示を出せば形になるところまで来ました。ただし、任せてよい範囲とそうでない範囲がはっきり分かれます。
この記事では、資料・バナー・SNS画像の3つを軸に、ツールの選び方から具体的な指示の出し方、商用利用の注意点までを解説します。
デザインAIツールとは何か
画像生成AIとは役割が違う
まず整理します。画像生成AIは絵そのものを描く道具です。デザインAIツールは、文字・図形・写真を組み合わせてレイアウトを組む道具です。バナーやチラシで必要なのは後者です。
絵を作る側の話はAI画像生成プロンプトの書き方で解説しています。両方を組み合わせると、素材から仕上げまで社内で完結します。
テンプレートに乗るのが基本
ゼロから作らせるより、用意されたテンプレートを選び、中身を差し替えるのが最短です。プロが作った構図に自分の情報を流し込む、と考えてください。
ツールの選び方
- 資料・チラシ・SNS画像を幅広く:テンプレートが豊富なオンライン型
- プレゼン資料に特化:構成から作れるスライド生成型
- ブランドを統一したい:色とフォントを固定できる機能があるもの
無料で試せる範囲があるものが多いので、まず2つ触って手に馴染むほうを選んでください。他のAIツールとの比較は無料で使えるAIツールおすすめ5選が参考になります。
使い方1|プレゼン資料を作る
構成を先に作り、デザインは後
いちばん多い失敗が、デザインから入ることです。何を言うかが決まっていない資料は、どれだけ整えても伝わりません。構成は対話型AIに作らせるのが早いです。
【プロンプト】
「プレゼン資料の構成を作成してください。
【前提】
・目的:(例:新しい業務ツールの導入を承認してもらう)
・聞き手:(例:部長クラス3名、技術には詳しくない)
・持ち時間:(例:10分)
【条件】
・スライド1枚につき、伝えることを1つに絞る
・各スライドの見出しと、話す内容の要点を書く
・冒頭で結論を示す構成にする
・想定される反対意見と、それへの回答も入れる」
出てきた構成をそのまま流し込む
デザインAIツールに構成を貼り付ければ、スライドの形になります。手を入れるのは、図解が必要な2枚か3枚だけで十分です。詳しい作り方はChatGPTでプレゼン資料の構成を作る方法で解説しています。
使い方2|バナー・広告画像を作る
指示は「目的」から書く
「かっこよく」では伝わりません。誰に何をしてほしい画像なのかを最初に書くと、精度が跳ね上がります。
【プロンプト】
「バナー画像のデザイン案を作成してください。
【条件】
・サイズ:(例:正方形、SNS投稿用)
・見てほしい人:(例:30代の子育て世帯)
・してほしい行動:(例:無料相談の申し込み)
・入れる文字:(例:初回相談は無料、所要30分)
・雰囲気:(例:やわらかく、安心感がある)
・避けたいもの:(例:値引きを前面に出す表現)
【出したいもの】
・配色の案を3パターン
・文字の配置の案を3パターン
・それぞれ、なぜその案にしたかを1行で」
文字は最後に自分で確認する
デザインAIは、文字を微妙に間違えることがあります。特に日本語は崩れやすいので、書き出す前に必ず目視してください。
コピーは別で考える
デザインとコピーは別の仕事です。文言はChatGPTでキャッチコピーを作る方法で数を出してから、良いものだけデザインに載せてください。広告文全般はAIでLPのコピーライティングをする方法が参考になります。
使い方3|SNS用の画像を量産する
1枚作って、あとは差し替える
SNSは継続が要ります。毎回デザインを考えていては続きません。型を1つ作り、写真と文字だけ差し替える運用にしてください。
投稿文とセットで作る
画像だけあっても投稿はできません。文章はAIでSNS投稿文を自動作成する方法、動画の企画はAIでInstagramリール・ショート動画の企画を量産する方法で解説しています。
ブランドの色とフォントを固定する
毎回違う色で作ると、蓄積されません。色を2色、フォントを1つ決めて、それ以外を使わないと決めるだけで、素人でも統一感が出ます。
社内資料での使いどころ
研修資料と手順書
文字だけの手順書は読まれません。図と写真が入るだけで理解が変わります。中身の作り方はAIで社内研修・教育資料を作成する方法とAIでマニュアル・業務手順書を作成する方法をご覧ください。
掲示物と案内
店内の案内、社内の掲示、イベントの告知。これまで手書きかWordだったものが、数分で見られる形になります。小規模な事業所ほど効果が出ます。
図解を作る
複雑な仕組みは、文章より図のほうが速く伝わります。まず対話型AIに「この内容を図にするなら、どんな構造か」を整理させてからデザインツールに渡すと失敗しません。
外注との付き合い方が変わる
全部を内製する必要はない
AIが使えるようになっても、ブランドの根幹に関わるものはプロに任せるべきです。ロゴ、コーポレートサイト、主力商品のパッケージ。ここは一度作れば何年も使うので、投資に見合います。
内製に向くのは「量が多くて寿命が短いもの」
SNS画像、社内資料、期間限定の告知、店内の掲示。週に何枚も必要で、数週間で役目を終えるものは内製が向きます。外注していた頃は費用と納期の都合で諦めていた分まで作れるようになります。
依頼の質そのものが上がる
意外な副産物として、外注するときの伝え方がうまくなります。自分で作ってみると、何を指定すれば意図が伝わるのかが分かるからです。
【プロンプト】
「デザイナーへの依頼書を作成してください。
【作ってほしいもの】
(例:新サービスの紹介チラシ、A4片面)
【条件】
・目的、ターゲット、掲載する情報、避けたい表現の順に整理する
・参考にしたい雰囲気は、言葉で具体的に書く
・こちらで用意するものと、依頼先に作ってもらうものを分ける
・納期と確認回数の希望を書く欄も入れる」
やってはいけないこと
商用利用の条件を確認しない
テンプレート、フォント、素材写真。それぞれに利用条件があり、プランによって商用可否が変わります。使う前に必ず確認してください。判断の考え方はAI生成物の著作権と商用利用の考え方で整理しています。
他社のロゴや人物写真を使う
AIが出してきた画像に、既存のロゴに似たものや実在の人物に似た顔が含まれることがあります。気づかず使うとトラブルになります。公開前に必ず自分の目で確認してください。
顧客情報や未公開の数字を入れる
資料作成の過程で、実データを入力しないでください。ダミーの数字で作り、最後に自分で差し替えるのが安全です。組織のルールは生成AIの情報漏洩リスクと社内利用ルールの作り方をご覧ください。
デザインの質を上げる3つのコツ
コツ1|要素を減らす
素人の資料が読みにくい最大の原因は、1枚に情報を詰め込みすぎることです。迷ったら消してください。AIに「この画像から削れる要素を3つ挙げて」と聞くのも有効です。
コツ2|余白を怖がらない
空いている場所を埋めたくなりますが、余白があるほうが読まれます。プロのテンプレートに余白が多いのは偶然ではありません。
コツ3|1枚に1メッセージ
言いたいことが2つあるなら、2枚に分けてください。詰め込んだ資料は、結局どれも伝わりません。
よくある質問(FAQ)
Q. デザインの知識がなくても使えますか?
使えます。テンプレートを選んで中身を差し替えるだけなら、知識は不要です。ゼロから構図を作ろうとしたときだけ難しくなります。
Q. 無料でどこまでできますか?
基本的な作成は無料の範囲でできることが多いです。ただし商用利用と素材の範囲はプランで変わるので、仕事で使うなら条件を必ず確認してください。
Q. 日本語のフォントはきれいに出ますか?
ツールによって差があります。日本語のテンプレートが揃っているかを、選ぶときの基準にしてください。
Q. 作った画像をそのまま広告に使えますか?
素材の利用条件を満たしていれば使えます。ただし広告の表現規制は別の話です。業界のルールは自社で確認してください。
Q. プレゼン資料は全部AIに任せられますか?
構成とデザインは任せられますが、そこで話す内容の責任は自分にあります。数字と主張は必ず自分で確認してください。
まとめ
この記事では、デザインAIツールの使い方を解説しました。ポイントを整理します。
- デザインAIはレイアウトを組む道具。絵を描く画像生成AIとは役割が違う
- テンプレートに乗るのが最短。ゼロから作らせない
- 指示は「誰に何をしてほしいか」から書く
- 文字の崩れと、ロゴや人物の写り込みは公開前に必ず目視
- 色2つ・フォント1つに固定するだけで素人でも統一感が出る
まずは次に使う資料を1枚、テンプレートに流し込んでみてください。外注する前に社内でどこまでできるかが分かります。
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